カナダの小さな町がマイニング業者を歓迎するも、懸念点も拭いきれず

カナダの小規模な工業都市にマイナーが注目

仮想通貨のマイニングは日々競争力が上がっています。そんなマイニングでは、電力の消費が大量に発生するため、マイナーはできるだけ安いコストでマイニング作業をすることが必要になっています。

そのため、マイナーはこれまで中国やアイスランドのような電力が安く涼しい国でのマイニングを好んでいました。しかし、中国やアイスランドはマイナーがマイニングをする際に発生する電力に対して、マイニング税などを導入しようと規制を目論んでいます。

そこで、マイナーが次に目をつけたのがカナダです。

カナダの農村部のパワービュー・パイン・フォールズ(Powerview-Pine Falls)という町は、製紙工場の本拠地でした。しかし、IT化が進んだ今の現代では廃業している産業になっているため、経済的に成長は難しいと言われていました。

2018年現在、仮想通貨はそのような地域を新たに活性化させるチャンスを持っています。世界中の仮想通貨のマイナーは、パワービュー・パイン・フォールズの町の安い水力発電の電力資源と涼しい気候の両方に魅了されていて、実際に何人かのマイナーは先月この町にやってきました。

パワービュー・パイン・フォールズの市長、BevDubé氏は、以下のように語りました。

「これはとてもエキサイティングなことです。私はここ40年、この町の産業が喪失していく過程を見ていました。それに対し、私は何もできませんでした。しかし、マイナーがこの町に集まってくるようになれば、経済も活性化していく可能性があります。それはとても興味深いことです。」

しかし、仮想通貨のマイニングは生まれたばかりの革新的な業種であることから、町がマイニング業者を歓迎するか否かをすぐに判断できるものではありません。

マイニングが地域経済を本当に活性化させるのか?

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)の中国の研究責任者であるソフィー・ルー氏は以下のように中国の小さな町の経験とそこに歓迎されたマイニングのマイナーに関する話を述べています。

BNEFは、世界6大陸の拠点に調査・分析スタッフを配置し、エネルギー部門の事業者及び専門家にビジネス機会増大を支援する研究機関です。

「町が提供する安価で豊富な電力に対して、マイニング業者が町に与えてくれる報酬は平等ではありませんでした。町民はマイナーとしておよそ50人しか雇用されず、マイニング業者の利益はその町ではなく他の地域に使われました。」

ソフィー・ルー氏は続けて、
「約6ヶ月前に、彼らは地域経済がマイニングから何も得られていないことを認識し始めた。」
と述べています。

このような理由から、カナダの水力発電会社は、マイナーが必要とするインフラの値上げや変更のために法案を履行することを期待していると主張しています。

電力が安くて気候が涼しいという地域性を歓迎しているのは何もマイニング業者だけではないのです。例えば、何千人もの地元の人々を雇用することができるデータセンターは、仮想通貨のマイナーを歓迎する代替手段の一つです。これは、より自己利益率の高い仮想通貨のマイナーよりも、町の雇用の改善などに有益であると考えられています。

カナダ・ケベック州の電力会社であるイドロ・ケベック社の広報担当のJonathanCôté氏は、
「Amazonのデータセンターとビットコインのマイニング業者どちらかを選ぶ必要があったなら、間違いなくAmazonを選ぶだろう」
と発言しています。

しかし、パワービュー・パイン・フォールズの市長は、上記のようにマイニング業者以外にも様々な企業を誘致できる可能性があるのにもかからわず、町が仮想通貨のマイニング産業から利益を得ることができると確信しています。

「とてもエキサイティングな事だが、私たちは慎重になり、最良の取引を実現したいと考えています。おそらく、これはて雇用を創出するものではないかもしれませんが、土地の購入やリース、あるいは広報の可能性など町の収益源となる方法はいくらでもあります。

マイニング業者が私たちのコミュニティに興味を示すならば、他の人たちももちろん同じように興味を示すでしょう。」

と述べています。

マイニング業者は仮想通貨が普及してここ1,2年で急増しているもので、新しい産業になります。ビットコインのPoWの承認アルゴリズムだと消費電力が大量に必要になり、エコではないという批判も出ています。

AIの進化により人間の仕事が機械に奪われるのがそう遠くない未来で起こると度々言われている昨今ですが、マイニングの世界でも基本的には人間ではなく機械がマイニングを行うため似たようなことが起こっているのかもしれませんね。

参考