インテルのブロックチェーン・アプリケーション、海洋からプレートまでの世界の魚介類を追跡

海産物詐欺をブロックチェーン技術が解決

オセアナ(Oceana,海洋態保護を目的とした非営利団体)の2016年の報告書に詳述されているように、海産物詐欺は海産物産業にとって大きな問題です。

ここでいう海産物詐欺とは、本来の海産物名とは違う、誤った表示のまま海産物を市場に売り出すことです。

報告書にある事例としては、天然のサーモンと称し安価な養殖サーモンを提供していたことや、寿司職人が絶滅の危機に瀕したクジラの肉を意図的にマグロとして提供していたことが挙げられます。

200件の調査から集計したデータに基づき、米国では海産物の20%が海産物詐欺に当たることが、海洋保全擁護団体によって判明しました。

この誤った取り扱いは世界中に様々な面から(健康、経済、および保全努力など)広範囲に悪影響を及ぼします。しかしそれは、ブロックチェーン技術によって変えることができます。

オセアナの調査は、レストラン、寿司屋、食料品店などの小売店に限られていたため、サプライチェーンの海産物詐欺が実際にどこで発生しているものなのかは正確にはわかりません。

報告書によると、問題はトレーサビリティであり、誤った表示が起こる原因は、サプライチェーンに沿ってされる取引の記録において透明性が保持されていないからとされています。

シーフードブロックチェーン誕生

われわれが知っているように、ブロックチェーン技術の核心は、取引履歴を追跡可能にして透明性の高い取引を実現する技術であることです。

多くの企業が、それをシーフードサプライチェーンに適用する方法を模索しています。

インテルは2017年4月、ブロックチェーンの作成と管理のためのプラットフォームであるHyperledger Sawtoothがいかにしてシーフードのサプライチェーンのトレーサビリティを促進できるかを紹介しました。

最近、世界自然保護基金(World Wildlife Foundation,WWF)は、今年1月、Blockchain Supply Chain Traceability Projectを発表しました。

インテルと同様に、このプロジェクトはWWFとそのパートナーがブロックチェーン上のサプライチェーンに沿ったすべてのステップを記録することにより、違法マグロ漁業の撲滅を支援することを目指しています。

WWFニュージーランドのCEO Livia Esterhazy氏は以下のように述べています。

「ブロックチェーン技術により、すぐにスマートフォンアプリを使用したマグロのパッケージングを簡単にスキャンすると、マグロの魚がどこで漁獲されたのか、どの船や漁法によって捕獲されたのかがわかる」

「消費者は、違法な状況で捕獲されておらず、正規のルートで捕獲されたマグロを購入していることを確信することができるでしょう。」

Fishcoin誕生

このようなアイデアを現実するのは難しいです。信頼されるためには、サプライチェーンに関わる全ての人が追跡記録システムに同意するだけでなく、それを適切に行うことが重要になってきます。

同社の報告によると、Fishcoinはユーティリティトークンであり、トレーサビリティの目的で漁業者や養殖業者を介し、さまざまな形での信頼できるデータ収集を可能にするものです。

どのように機能するのかというと、まずは開発途上国の漁師が捕獲した魚介類に関する情報をレストランや食料品店に送ります。これにより、特定数のFishcoinsを漁師の仮想通貨ウォレットに転送するスマートコントラクトが開始されます。

漁師は、そのFishcoinを使って請求書の支払いや携帯電話を購入することができます。

Fishcoinはブロックチェーン技術を駆使し、トレーサビリティを可能にするツールなのです。