今回は仮想通貨の投資方法の1つでもある「積立投資」について解説していきます。
積立投資とは毎月一定額の投資額を決め、月末などに元手資金を振り落とし、その金額分の仮想通貨を購入してくれるというものです。最近では自動積立サービスも増え、初期設定さえしておけば後は自動的にコンピュータが処理してくれます。
人の感情が介入しないので毎月必ず一定額を貯めていけますし、仮想通貨は中長期の積立投資には非常に相性が良いのです。
では、ここから仮想通貨の積立投資方法について詳しく解説していきましょう。
目次
【仮想通貨】積立投資のメリット

仮想通貨は価格変動が激しい性質があり、一度の取引で大きな利益を獲得できる反面、損失を出した時の被害も大きいのです。
しかし、これでは今まで投資のご経験がない方にとっては、安全な取引ができるのか不安になりますよね。
そこで、今回紹介する積立投資という方法を使うことでリスクを抑えることが可能となります。
たとえば、毎月5,000円ずつ仮想通貨を購入してコツコツ積み立てていくことができるので、これなら無理に生活費を削ってまで投資するという危険を冒く必要はありません。
毎月の積立額を設定しておけば、後は自動的に目的の銘柄を買ってくれるのです。

それは以下の3点です。
- 仮想通貨市場が未成熟
- 積立投資で価格変動リスクを抑えることができる
- 分散投資しやすい
ここでは積立投資をする利点、上記3つのメリットについて詳しく解説していきます。
1.仮想通貨市場が未成熟
仮想通貨市場は2017年半ば頃から盛り上がり、2017年12月頃に過去最高額を記録する銘柄がたくさん現れました。
その後は中国の規制強化やコインチェック騒動などの暗いニュースが続き、日本国内でも規制を強化する動き、多くの仮想通貨は値段を下げ続ける状態です。
ブームが去ったような倦怠感はありますが、ようやく投機的な流れは一巡し、市場は落ち着きを取り戻したとも言えるでしょう。
世界初の仮想通貨ビットコインが生まれたのは2008年ですので、市場が形成されてからまだ10年しか経っていません。
また、仮想通貨で決済(支払い)できる店舗やサービスは少なく、投資よりも技術面に注目する人も少ないのが現在です。
裏を返せば、今後さらに新しいシステム、便利な技術が生まれてくることで市場全体の注目度が高まり、仮想通貨決済の環境が整えられることで、コインの需要も高まることが予想されます。
今は市場の形成期にありがちなリスクに対する懸念が表に強く出ている状態で、今価格が下がっているからこの先も下がるというものではなく、技術の進歩によって更なる飛躍を遂げる可能性も高いのかもしれません。
2.積立投資で価格変動リスクを抑えることができる
仮想通貨は長期的に見ると成長しやすい環境や技術、システムが揃っていると言えますが、現時点は投機的側面が強く、銘柄によっては1日に1万円や10万円の値動きをすることも珍しくありません。
積立投資は、そうした「価格変動リスク」を抑えることに役立ちます。
たとえば、「仮想通貨は儲かる」と聞いてそこに100万円も1,000万円もお金をつぎ込めば、相場が上昇した時は良いですが、反対に下がった時は多額の損失が発生し、借金や破産の可能性もあるのです。
先ほども紹介しましたが、仮想通貨は基盤となる技術あって始めて広く価値が認められるので、環境が未整備の現在はどちらかといえば長期投資に向いていると言えるでしょう。
コツコツ資産を積み立てていく投資方法と相性が良いことが分かります。
3.分散投資しやすい
1回の投資額が5,000円や1万円など少額になると、今度は分散投資しやすいメリットもあります。
分散投資とは、仮想通貨でも複数の銘柄に元手資金を分ける方法です。市場全体が右肩上がりだとトータルで大きな収益が狙えますし、たとえ1つの銘柄で損失を出しても他の銘柄でカバーできるなどリスクテイクにもおすすめです。
たとえば、今月は2万円分投資する余裕があるので、1万円をビットコインに、5,000円をイーサリアムに、最後の5,000円をリップルになど細かく配分できるのです。
積立投資に向く人・向かない人

この特徴から積立投資に向く人、向かない人の性質が分かってきます。順番に紹介していきましょう。
積立投資と相性の良い人の特徴
積立投資に向いている人は、以下3つの特徴があります。
- ビジネスマンや個人事業主など忙しい人
- できる限りリスクを抑えた投資がしたい人
- 着実に資産運用を行いたい人
一般的な投資法といえば、普段から机の上で複数のパソコンと向き合い、チャートの分析、決済の即時判断、ファンダメンタルズの分析など忙しいものです。
仮想通貨は、「24時間取引できる」という長所があるものの、いつも会社に通うビジネスマン、あれもこれもと1人で何でも行う個人事業主の方などには難しいですよね。
もちろん、銘柄選びにファンダメンタルズやチャート分析は必要ですが、銘柄を選んでしまった後は、時どきチャートを確認するくらいで済みます。
積立投資は投機的な手法ではなく、資産運用に近い形です。
積立投資と相性の悪い人の特徴
積立投資に向いていない人は、以下3つの特徴があります。
- 資産管理能力がない人
- リスクゼロで資産運用したいと考えている人
- 一発屋の人
積立投資は、手元に残る余裕資金で行うのが基本です。生活費を切り詰めてまで投資していたのでは、せっかくの積立投資のリスク分散効果が薄れてしまいます。

収支状況が把握できれば、「毎月残ったお金」で投資するのではなく、「今月は全体の収入から投資比率5%を目標」というように、あらかじめ用途別の資金を作ることが可能です。
積立投資は投機よりも資産運用に近いと言えますが、リスクゼロで運用したい人、一度に大きな利益を獲得したい一発屋の人には向きません。
外貨預金にも為替リスクがあるため、投資において絶対安全という考え方は通用しないのです。
こうした人は「積立投資に向かない」というよりも、考え方を変えることで「積立投資に向く人」に変わることもできます。
絶対に安全な投資はないと理解した上で、しっかりとリスク管理ができるようになれば、積立投資でも成功しやすいでしょう。
仮想通貨積立投資の始め方

仮想通貨の積立投資について、国内大手取引所ザイフの画面で紹介していきます。積立サービスを行っている取引所については、後ほど紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
まずはザイフにログインし、トップページ右上の「アカウント」から「Zaifコイン積立」を選んでください。すると、以下のような画面が表示されます。

画面下側の部分が口座振替の入力フォームです。
「利用規約に同意します」にチェックを入れ、名義人と生年月日を入力しましょう。そして、「口座振替手続きを開始する」をクリックします。
画面が次に移動すると、中央にある「ネット口座振替受付サービスサイトへ」をクリックします。

上の画面が出てくると、口座振替を希望する銀行を選びます。
ご希望の銀行を選ぶと画面が変わり、中央に「コイン積立の設定へ」というボタンがあるので、そちらをクリックしてください。

次に毎月購入する銘柄を選んでいきます。
ザイフの場合、ビットコインの他にもモナコイン、ネム、イーサリアムを買うことができます。
各銘柄に購入金額を入力すると、その下の「購入金額合計」、「購入手数料」は自動的に入力されます。
各金額は日本円で入力し、この画面で5,000円や1万円など資金を振り分けることができます。もちろん不要な銘柄は0円のままで構いません。
「設定変更を保存する」を最初の引落予定日に指定口座から振替が行われます。
現在の積立設定の確認は「積立履歴の確認ページ」、毎月の購入金額変更は「毎月の購入金額の設定変更ページ」から行えます。
仮想通貨の積立投資で気をつけたいこと・注意点

仮想通貨の積立投資で気をつけたいことと注意点は、投資に対する考え方でしょう。
毎月コツコツと積み立てていく方法は当然ですが、1回辺りの利益も低くなります。その分、損失を出した時の痛手も少なく、ローリスクローリターンの運用法と言えます。
ここで持続できるか、どうかが分かれ目です。
一度に大量の利益を獲得したい投資家が積立投資に向かないのは、こうしたコツコツ作業が投資スタイルに合わないからです。
ロマンや冒険心に溢れ、心を沸き立たせてくれるような投資に憧れているのでしょう。

積立投資のデメリット
積立投資のデメリットにも気をつけましょう。
- 積立サービスが少ない
- なかなか結果が表れないことも
2018年8月14日時点の仮想通貨積立サービスは、ザイフの一強となっています。
また、現在の仮想通貨市場は軒並み低下基調なので、積立投資を始めたは良いもののなかなか結果が出ないこともあるでしょう。
その意味でも「長期的に成長する銘柄」を選ぶことが何よりも大切です。
積立投資にオススメの取引所は?

仮想通貨は一般的な投資、積立投資に限らず、以下の基準を参考にしっかりと選ぶ必要があります。
2018年1月に起きたコインチェックのように、自分の資産を安全に管理してくれる取引所を選ばなければなりません。
取引所選びの基準
- セキュリティ体制(2段階認証、マルチシグ、コールドウォレットなど)
- 銘柄のバラエティ
- 手数料の安さ
- 使い勝手、使い心地の良さ
仮想通貨の積立投資を行っているのは、
- ビットフライヤー
- ザイフ
- コインチェック
の3つです。いずれも国内では大手取引所に位置します。
ビットフライヤーの場合は、クレジットカードを利用した仮想通貨定期購入サービスがあります。
コインチェックは、取引所に仮想通貨を貸し出して毎月の利息を得るタイプです。それぞれ積立方法も違います。
また、2018年8月14日時点でビットフライヤーはサービスを停止中です。コインチェックも事件の後のセキュリティに対する懸念が消えず、現在も新規口座開設をストップしています。
ザイフは自動積立サービスに対応しており、初期設定だけで後は自動的に毎月の資産を増やしてくれます。
ザイフの自動積立サービスの特徴は、以下の4点です。
- 積立はドルコスト平均法
- アルトコイン積立にも対応
- 最低1,000円から利用できる
- 手数料は100円~
それぞれ詳しく紹介していきましょう。
1.積立はドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは「定額購入法」とも呼ばれ、株式や投資信託の場で用いられます。
定額とは、たとえば毎月5,000円や1万円と入金する金額を決めておくことです。
また、相場が好調な時は銘柄の価格も高くなりますが、その分購入量は減るのでリスク分散に際立っています。
2.アルトコイン積立にも対応
ザイフではビットコインの他にも、ネム、イーサリアム、モナコインの積み立てにも対応しています。
最大4つの銘柄で分散投資できるので、それだけリスク分散可能ということです。
3.最低1,000円から利用できる
ザイフの自動積立サービスは、最低1,000円から利用できます。最大100万円まで投資可能ですが、無理のない範囲で設定するようにしましょう。
4.手数料は100円~
ザイフは積立金額に応じて手数料が変わる仕組みです。
月々の積立金額 | 取引手数料 |
---|---|
1,000~2,000円 | 100円 |
3,000~9,000円 | 3.50% |
10,000~29,000円 | 2.50% |
30,000~49,000円 | 2.00% |
50,000円以上 | 1.50% |
つまり積立金額が、高くなるほど手数料がお得になります。ただし、手数料が安いからと無理な投資は控えましょう。
仮想通貨積立投資のまとめ
今回は仮想通貨積立投資について紹介してきました。
現在は積立サービスがザイフ一強という状態ですが、今後は積立の他にも貸し出しサービスなども生まれ、仮想通貨の資産運用手段も多くなるかもしれません。
仮想通貨にはブロックチェーンという根幹システムがあるので、まだまだ成長する余地があります。
今話題になっているIoT(インターネットオブシングス)とも相性は抜群で、IoT製品とブロックチェーンを組み合わせた自動決済サービスの広がりも期待できます。
技術的な進歩は早いものの、その技術が世の中に浸透するには時間がかかるでしょう。
そのため、長期的展望が開ける仮想通貨、長く運用を続けるほど複利効果の得られる積立投資は非常に相性が良いのです。
もちろん、今回取り上げた積立投資のデメリット、注意点なども参考にしつつ、本当に納得いった上で投資判断を行うようにしてください。