この記事では、前半部分で仮想通貨とはどのようなものか、その全体像を図表を交えて丁寧に解説していきます。
また、後半部分では仮想通貨の中でも代表的なビットコインを題材にその仕組みを徹底的に解説していきたいと思います。

なんて方も、この記事を読んでいただければきっとその疑問を解決できるはずです!それではぜひ最後まで読んでみてくださいね!
仮想通貨とは?

仮想通貨とはインターネット上の「お金」です。主に「決済」と「送金」の2つの役割を担い、その取引の全てインターネット上で完結することができます。
どのようなメリットがあるのか?
それではこの仮想通貨を使うことで、いったい私たちにどのようなメリットがあるのでしょうか。
単純に買い物で使うなら現金や電子マネーでも変わらないし、送金するのなら銀行を使って振り込みをすれば良いのではないかと思う方もいると思います。
ここではわかりやすいように、みなさんが普段使っている「現金」や「銀行」、「電子マネー」などと比較しながら図表を交えて解説していきたいと思います。
図表1

現金の紛失リスクを無くせる
仮想通貨は現金を使わずに決済が可能なので、お財布をなくしてしまっても紛失することがありません。
また、これによって現金を持ち歩く手間を省くことができますし、

なんてことも気にしなくて良いのです。もちろん、そこからATMに駆け込んでお金を下ろす手間もなければ、その手数料を払う必要も無くなります。
これだけでも、現金との違いがよくわかりますね。
送金手数料の大幅な削減
誰かにお金を送りたい場合、銀行を通して振り込みを行わなければいけません。
銀行はその機能を維持するため、人を雇いシステムを作ったり店舗を持つなど、その運営のためには多額の費用がかかります。よって、こうした振り込みにも「手数料」がかかってしまいます。
時間や場所にとらわれない
銀行やATMが営業時間外やシステムメンテナンス中で、必要な時にお金のやりとりができないことはよくあります。
しかし、仮想通貨はインターネット上で使うことができるので、「24時間365日いつでも自由に取引」を行うことができるのです。
世界中どこでも使うことができる
仮想通貨は、その価値を認めている場所であればどこでも使うことができます。
例えばアメリカに旅行に行ってお店でホットドックを買おうとした場合、日本円をドルに交換しに行かなければいけません。
しかし、仮想通貨が使えるお店であれば、スマートフォン1つで日本円と仮想通貨を交換して、その仮想通貨でホットドックを買うことができるのです。
これも仮想通貨の大きなメリットの1つということができるでしょう。仮想通貨には上述したような、従来の法定通貨にはないメリットがたくさんあります。
どんなデメリットがあるのか?

メリットだけでなく仮想通貨にはデメリットもあります。ここからはデメリットを解説していきたいと思います。
ハッキングのリスク
インターネット上のお金という特性上、仮想通貨には「ハッキングのリスク」が伴います。
現金であれば自分で肌身離さず持ち歩くことで、外部からの攻撃を受ける可能性は少ないですが、インターネットは誰もがアクセスできるものなので、常にそのリスクと隣り合わせと考えて良いでしょう。
徐々にセキュリティ対策もなされてきてますが、ハッキングに関してはまだ改善すべきことが多いと言えます。
国による価値の保証がない
仮想通貨は法定通貨と違い、国による「価値の保証」がありません。例えば、日本円は日銀が発行して、その価値を保証しています。
しかし仮想通貨は国が発行したものではないので、その価値の保証は法定通貨と比べて極めて低いと言えるでしょう。
よって明日には「無価値になっている」という可能性もあります。こういったところもデメリットの1つと言えるでしょう。
取引所の倒産
仮想通貨の取引所は、ほとんどが資本の少ないベンチャー企業が運営しています。ベンチャー企業は、国内だけでも誕生してから10年以内に倒産することがほとんどです。
このことからもわかるように、「取引所の倒産のリスク」が常に付きまとうと考えることができます。
しかし大手企業が運営する取引所も増えてきたので、今後改善していく可能性があると言えるでしょう。
これらのデメリットは仮想通貨全体において、今後解決していくべき課題とも言えるのでしっかりと押さえておきましょう。
電子マネーとの違い

図表2

メリットとデメリットを解説したことで、電子マネーとの違いもわかってきたと思います。
もし同じ1000円分の価値がそれぞれにあったとしたら、どこでも自由に使える仮想通貨の方がより便利であるということができます。
送金の仕組み

図表3

P2P(ピア・ツー・ピア)
仮想通貨の送金の仕組みの特徴として「P2P」と言う方式が使われています。これはすべてのコンピューターが「ネットワーク内で対等」であるというものです。
世界的にも有名な「スカイプ」と言うアプリケーションもこの技術を採用しています。
通常ネットワーク内には管理者がおり、その管理者しかアクセスできない領域があったり、管理者がネットワーク内の取引をコントロールできるものです。
しかし、P2Pの技術はネットワーク内のすべての人が対等なので、相手の所在地がわかれば、そのすべての領域に自由にアプローチを仕掛けることができます。
P2Pは現在発行されている仮想通貨の、ほぼすべてに使われている仮想通貨のテクノロジーの基盤となっている技術です。
ウォレット
仮想通貨は「ウォレット」と呼ばれる、インターネット上のお財布に入れて保管することができます。
ウォレットにはネットワークに常に接続されている「ホットウォレット」と、外部のネットワークを完全に遮断した「コールドウォレット」の大きく分けてこの2種類が存在します。
ホットウォレット
送金などの「やりとりがスムーズ」にできるというメリットがある反面、ハッキングにあいやすいというリスクがあります。
コールドウォレット
送金などのやりとりには不向きですが、「ハッキングに強い」というメリットがあります。

以上、ここまで仮想通貨の全体的な仕組みを解説しました。
ビットコインの仕組み

ここからは仮想通貨の仕組みをより深掘りするために、もっとも代表的な「ビットコイン」を題材にその取引における仕組みを詳しく解説していきたいと思います。
ビットコインとは?
ビットコインとは、サトシ・ナカモトと名乗る人物が開発した「世界で初めての仮想通貨」です。
国が管理する法定通貨を「中央集権的」と捉えることに対して、ビットコインは管理者がいないため「非中央集権的」な通貨と言われており、この概念は仮想通貨の根本的な理念と言うことができます。
また、ビットコインは現在多くの取引所で他の仮想通貨との交換を行う際の、基軸通貨として使われています。
発行量
国が管理する法定通貨は、その裁量で発行枚数をコントロールすることができますが、ビットコインの発行枚数は、たとえ誰であろうとその上限を変更することはできません。
ブロックチェーン
図表4

- 10分ごとに新しいブロックを作成
- 過去のブロックとの整合性を取れるかを確認する
ビットコインの取引の記録には、ブロックチェーンという技術が使われています。ブロックチェーンとは日本語で「分散型取引台帳」とも言われています。
ブロックチェーンを使うことで、不特定多数の複数人が1つの取引をネットワーク上に分散して記録することができます。
これによって、「取引記録の紛失と改ざんを不可能」としています。
例えば、1箇所で記録を管理すれば紛失した場合記録は残っていないので、そのまま消滅してしまいますが、ブロックチェーンを使うことで分散して取引が記録されているので、その記録は失われることがありません。
1人の人が管理している記録は、その人の裁量でいくらでもその内容を変えることができますが、ブロックチェーンの取引記録は複数人の商人のもとで管理されているので、その内容を変えることができません。
しかもその取引記録には、P2Pの技術のもと所在を知っている誰もがアクセすることができるので、「公平かつ公正な記録が保証」されています。
ハッシュの生成
ビットコインの取引の計算には、ハッシュ関数と呼ばれるものが使われています。
取引がネットワーク上に放出された後、このハッシュ関数が生成されその計算を行うことで、取引がブロックチェーン上に記録されます。
ブロックの生成
ビットコインの取引は、過去の取引と照らし合わせその取引の整合性を確かめた上で、「10分ごとに新しいブロックを生成」します。
通常このブロックには、およそ100〜1000個ほどの取引が記録されることになります。
このブロックが連結して生成され続けることでビットコインのネットワークは存在しています。
マイニング
ビットコインの取引記録をつけるには、複雑な計算を必要としています。
この取引記録をつけることでその見返りとして報酬を受け取ることができ、この一連の作業を「マイニング」と呼びます。
マイナー(採掘者)
ビットコインのマイニングを行う人のことを、マイナーと呼びます。現在世界中の様々な場所にマイナーがおりビットコインのマイニングを日々行っています。
ビットコインのマイニングによる報酬
ビットコインのマイナーは、マイニングの報酬として新規発行されたビットコインを受け取ることができます。
また、ビットコインの送金の際にかかる手数料は常にプールされており、ビットコインが発行枚数の上限に達した場合は、プールされている送金の手数料が報酬として支払われるようになります。
Proof of Work
ビットコインのマイニングには、Proof of Workと言うマイニング方式が採用されています。
これは上述したハッシュの計算量が多ければ多いほど、計算式の答えをたくさん見つけることができ、報酬をより多くもらえる方式のことです。
この計算は非常に高度で難しいものとなっており、高性能なパソコンを何台も使って通常は行われます。
「Work」と言う言葉からもわかる通り、その計算の仕事の量で評価をする仕組みとなっています。
電子署名
取引データの受信者と送信者が、間違いなくソオの取引を行った本人であるかを確かめるために、電子署名の技術が使われています。電子署名とはデジタルな署名のことです。
普段何か契約をするときに紙の契約書にサインをしますが、これをデジタルに置き換えたものだと考えるとわかりやすいでしょう。
秘密鍵と公開鍵
ビットコインの電子署名には「秘密鍵」と「公開鍵」という技術が使われています。
ビットコインで送金をする場合、事前に受信者から送信者に知らされている公開鍵に対して秘密鍵を使って「暗号化されたデータ」を送信します。
この送信データは秘密鍵によって暗号化されているので、第三者はこの取引データを読み取ることができません。これによってよりセキュアな取引を行うことができるのです。
また秘密鍵で暗号化された取引のデータは、公開鍵でしかその暗号を解くことができません。
この2つの高度な技術によって、仮想通貨の取引の安全性が担保されています。
マルチシグ
現在仮想通貨の取引所では、より高度なセキュリティを取引にかけるため、「マルチシグ」という技術が使われることが増えています。
これは上述した秘密鍵は、通常1つの取引に対して1つの秘密鍵が使われるのですが、この秘密複数用意し、取引承認を行うことでその「取引のセキュリティを向上」させようというものです。
ビットコインの取引においては、現在国内でも最大規模の取引所である「bitFlyer」などがこのマルチシグを採用しています。
半減期
マイニングの報酬は定期的に半分に減っていきます。その半分に減る時期のことを「半減期」と呼びます。
上述したようにビットコインの取引はブロックチェーン上に記録され、そのブロックは10分ごとに生成されていきます。そしてあらかじめ決められたブロック数に到達するとこの半減期に入るようになっています。
現在、およそ4年に1度ほどのペースでビットコインは半減期を迎えています。
ソフトフォークとハードフォーク
ビットコインでは、定期的に仕様の変更が行われます。これは取引量が多くなってくることで、ブロックチェーンに問題が発生した場合に、その問題を解決するために行われるものです。
この仕様の変更は大きく分けて以下の2つとなります。
その1.ソフトフォーク
ソフトフォークとは、ブロックに溜まった取引の情報を圧縮して小さくすることで、問題を解決することです。
パソコンなどでもデータ容量が大きいファイルは、圧縮して小さくすることでパソコンにかかる負荷やデータの送受信を楽にすることができます。
ソフトフォークは過去のブロックとそのシステムと互換性があるため、従来の仕様そのままで問題を解決することができます。
その2.ハードフォーク
ハードフォークではソフトフォークと違い、ブロックチェーンの仕組みそのものを改変するために、全く新しいブロックチェーンを作り出します。
これによってブロックに発生した問題を、根本から解決してしまおうというものです。
去年はビットコインの分裂問題なんてこともよく耳にしたと思いますが、この分裂こそがハードフォークです。
ビットコインではこの分裂によって「ビットコインキャッシュ」や「ビットコインゴールド」などの通貨が過去に誕生しています。
仮想通貨は奥が深い
ここまで、仮想通貨の全体像とビットコインの仕組みについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
仮想通貨の存在は単なる紙や硬貨と違い、その高度なテクノロジーに裏打ちされて成り立っています。
現時点ではハッキングのリスクなどもあり課題もたくさんありますが、将来的には私たちの生活により深く根付いていくことでしょう。
みなさんも仮想通貨の今後の動向に、ぜひ注目してみてくださいね!
「文章だけだと難しくてわからない!図とかで説明してほしい!」